黒川の今昔 黒川小学校(現 黒川公民館)

黒川の中心部分に位置し、現在は黒川公民館として地域の人々のよりどころとなっている、旧黒川小学校の校舎。兵庫県内でも最古級の木造校舎は趣き溢れる外観とともに、地域外から訪れた人々を迎え入れ、この集落の象徴的な存在といえるでしょう。築110 年を超えたこの校舎やかつての黒川小学校の様子、またこの小学校の卒業生であり現在も黒川に住まう方々の証言をもとに、当時の黒川の賑わいを振り返ってみます。

写真48. 旧黒川小学校校舎

子どもたちの学びの場

黒川小学校が開校したのは1873 年(明治6 年)のこと。当時は地域の菩提寺である徳林寺の一部を借り「正則小学校」として発足、教員は1 名、児童は男子9 名、女子7 名の計16 名だったと記録に残っています。その2 年後には新築の校舎が建設。当時の川西市には「川西」「多田」「東谷」という3 つの村があり、それぞれ一村一校が原則でしたが、黒川尋常小学校は地域の関係で独立の学校として1892 年(明治25 年)に認められました。

写真49. 児童数が一番多かった昭和20年の卒業生(総児童数109 名)

現存するのは斜面に沿って建つ「北校舎」と「南校舎」のふたつで、北校舎は1904 年(明治37 年)8 月25 日に、南校舎は1946 年(昭和21 年)12 月27 日に落成。特に南校舎については第二次世界大戦の終わり頃から終戦直後の混乱期に近隣都市からの疎開児童が多く入学してきたことで、一気に増えた児童のために増築されたもの。当時は複式学級だったそうで、ピーク時には男子60 名、女子49 名の合計109 名もの児童がこの校舎で学びました。
その後、若い世代の働き方が里山の仕事から都市部での仕事に移り変わり、一庫ダムの建設に伴って徐々に児童数は減少し、1977 年(昭和52 年)4 月より休校しています。

写真50. 運動会

建物は現在までほぼ当時のままで残されており、各教室をはじめ、北棟と南棟の間の通路や便所にいたるまで当時の小学校の生活様式を知ることができるとても貴重な建築物です。

黒川小学校から黒川公民館に

休校を迎えた1977 年からの40 年以上にわたり、黒川公民館として使用されるようになった旧小学校は、現在ではさまざまな地域の行事、お祭りの際にも使用され、毎年1 月の「とんと焼き」では近隣地域の住民も一堂に会しグラウンドも利用する形で行事が執り行われています。また、地域住民が参加する文化祭や体育祭が黒川小学校卒業生を中心にグラウンドでも開催されていたそうです。2009 年度には兵庫県より「景観形成重要建造物」の指定を受けた黒川小学校の貴重な校舎建築。地域の中心としてこの先も重要な役割を果たしていくことでしょう。

のせでんアートライン

能勢電鉄沿線の里山地域全体をワークショップ会場として利用する「のせでんアートライン」は2013 年より開催されている芸術祭。夏から秋にかけてアーティストが様々な企画を地域に入って行いますが、その集大成となる秋の「収穫祭」では黒川公民館で制作発表や展示が開催されています。

*黒川公民館 開館日・アクセス

住  所:兵庫県川西市黒川字谷垣内295
TEL:072-738-0107
開館時間:午前9 時〜午後5 時30 分
休館日:12 月29 日〜 1 月3 日(※都合により臨時休館あり)
アクセス:能勢電鉄「妙見口駅」下車 阪急バス「黒川」下車 徒歩5 分