キセキの里山・西谷 里山の生き物や自然を学ぶ

青少年を自然に親しませ、野外活動や集団宿泊生活を通じて自然観や情操を豊かにし、社会性を育てることを目的とした「宝塚市立青少年野外活動センター」(1967 年〜)を前身とする「宝塚市立少年自然の家」(1973 年〜)として発展しましたが、2004 年からは日帰り施設に変更になり、2008 年からは「宝塚市立宝塚自然の家」へと名称を変更し現在に至っています。現在、当施設は休所しており、2019 年4 月からは、日曜日及び祝日に限り、施設の一部を開放しています。(12 〜 2 月の冬季期間を除く)

宝塚市立宝塚自然の家

主な施設

生物多様性の森

約14ha の広大なフィールドと隣接する猪ノ倉谷、まむし谷、尾の切谷などは生物多様性の高い森林や小川や草原に囲まれています。昆虫観察、植物観察、野鳥観察をはじめとする自然観察やフィールドアスレチックなどには最適のフィールドです。

県事業の[ 里山林等整備等事業] が完了した猪の倉谷

昆虫の宝庫

4 月には大原野を中心としてギフチョウが飛翔し、5 月にはアカマツ林にハルゼミが鳴き、川辺にはムカシヤンマが飛びます。6 月になると、湿原に日本最小のトンボであるハッチョウトンボが、夜には猪ノ倉谷(map.B2)でゲンジボタルの乱舞が見られます。大原野川のグンバイトンボは、水藻のある清流にしか住めない珍種で、6 〜 7 月に見られ、同じ頃、オジロサナエ、アオサナエなどが山間の渓流にみられます。秋になると、産卵のため池沼にはオオルリボシヤンマが、湿地にはサラサヤンマやオオエゾトンボ、ヒロバネエゾトンボが訪れます。まさに昆虫の宝庫といえます。

夏緑林の中で昆虫さがし

渡る小鳥たちの休息地

バードウオッチングに最適

バードウオッチングにも恵まれたフィールドです。いくつかの種を例にウオッチングの楽しさを紹介しましょう。サシバはツバメと同じ夏鳥で1 月に入ると南国から渡って来るワシタカ科の鳥です。林の上を高く、低く群れをなして乱舞しているのはマヒワです。ジョウビタキやマヒワも共に冬鳥として10 月下旬に渡来し、翌春に渡去します。このように春は夏鳥、冬鳥を一度に観察できる季節です。留鳥のエナガが早くもイヌツゲやソヨゴの枝に、ウメノキゴケ、ハイゴケを外部に、他の鳥類の羽毛を内部に使い、巧みに巣をつくっています。同じ留鳥のセグロセキレイが自然の家駐車場の石垣に営巣することもあります。

よみがえった里山の植物

間伐後のフィールド内で植物観察

1970 年代の松くい虫による松枯れ現象によって、多くのアカマツの老木が枯れてしまいました。2000 年代に、敷地内は施設職員及びボランティア団体によって、兵庫方式による森林の間伐を行い、里山景観をよみがえらせる取組みをしました。また、周辺の森林は兵庫県の所有林であったため、平成16 年度に63ha を県が「里山林等整備事業」として里山整備が進められました。これらの取組によって、里山林がよみがえり生物多様性が高くなりつつあります。

天文台「ハレーロボ」

1985 年に阪神間の他市に先駆けて青少年の天文学習のための天文台を設置し、直径43㎝の反射鏡を備えた天体望遠鏡があります。光の氾濫する市街地から訪れた子どもたちはまず星の多さに驚き、次にハレーロボの貫禄に歓声を上げ、主鏡の大きさにも感動します。愛称「ハレーロボ」は公募により選ばれました。

天文台ハレーロボには直径43㎜の反射望遠鏡

野外炊事場(バーベキュー場)

野外炊事場 かまどや流し台など完備

石炭、石油、天然ガスなど化石燃料を使用した生活に慣れきった生活を送っている現代人にとって野外炊事は重要なプログラムです。燃料革命の時代以前は里山で燃料としての薪や柴を使った生活をしていました。そういった実体験をする場としての施設です。

冒険の森 (フィールドアスレチック)

自然豊かな森林内に設置されているつり橋、丸太渡り、でこぼこタイヤ、円盤つな渡りなどを通過しながら自然に親しみ、体力づくり、冒険心を培うなど個人にもグループにも合った楽しみ方ができるコースです。(現在は一部のみ使用可能とになっています。)

冒険の森にはつり橋など多数の障害物などが

その他活動場所、教材がいっぱい

特にフィールド内の松尾湿原(詳細は24p)についてはここ約20 年間に湿性植物をはじめとする生物種の多様性が見事によみがえりつつあります。ギフチョウ観察ケージでは3 月下旬から4 月に成虫の姿が見られ、産卵から幼虫、蛹まで観察することができます。(詳細は36~37p)また里山学習の教材として「江戸時代の茅葺き民家」(詳細は42p)が歴史民俗資料館としてフィールド内に移設されています。